非常食の備蓄

大規模災害発生から数日間を自宅で過ごすために、食料は何をどれぐらい備蓄すればいいのかを考えてみましょう。

水は一人一日3リットルということは定着していますが、非常食についてはわかりやすい目安がありません。

まず、非常食をどれぐらいの量備蓄しておく必要があるでしょうか。

1日や2日なら十分な食事が摂れなくても何とか凌げると思いますが、何日もエネルギー不足では体調を崩してしまいます。

必要なエネルギー量は、人によって異なって来ますが身長から必要なエネルギー量を計算することができます。
つまり、家族全員の必要エネルキー量を目安に食料を備蓄すればいいのです。

必要カロリーは身長から標準体重を出せば簡単に計算出来ます。
身長(m)×身長(m)×22=適正体重
適正体重あたり25~30kcalが必要なエネルギー量となります。

つまり、身長170cmの場合
適正体重:1.7×1.7×22=63.58kg
必要カロリー:63.58kg×30cal=1907kcal(30kcal/kgとした場合)
となるのです。

乳児などは、100~120kcal/kg程度必要で、成長期の子供も大人より必要エネルギー量も多くなりますので、そのあたりを加味して調整しましょう。

一日あたりの家族の必要エネルギー量がわかれば、次は、どのような食材を揃えるかです。

重要なことは、普段食べるもの、もしくは、できるだけそれに近いものを揃えることです。
非常食として特別なものをそろえるのではなく、通常スーパーで購入できる普段食べてるものを多く購入し、古いものから消費してその分を追加購入(ローリングストック)するようにすれば、賞味期限切れで処分する無駄もなくなります。

ただし、被災時は電気もガスも使えない可能性があります。
そのような状況だと暖めずに食べられるレトルト食品やアルファ米などの非常食は便利です。
そのまま食べられるもの、水を入れるだけで食べられるもの、水を入れると暖かくなるものなど様々な商品が販売されています。

アルファ米 尾西の五目ごはん

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何社か食品メーカーに確認したところ普通に販売されているレトルト食品は、完全調理済みなので味はともかく暖めずに食べることができるようです。
ただし、温めることを前提にしているレトルト食品は、美味しくない可能性があります。
冷たくてもある程度美味しく食べられるということを考えると油分が多く含まれるレトルト食品は、避けたほうが無難かもしれません。

その点、レトルトのお粥は、メーカーが常温でも食べられるとしている場合が多く、水を節約しなければならない状況でそのまま食べられるすぐれものです。

味の素 梅がゆ レトルト 250g ns

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缶に入ったパンも便利です。
普段食べても美味しいパンがそのまま缶に入っている状態ですので、温めなくても美味しく食べることができます。

おいしすぎる非常食で有名なボローニャのパンの缶詰(非常食 保存食 防災グッズ 防災用品 帰宅困難者対策)

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また、魚や肉の缶詰も、賞味期限が3年程度のものが多く、暖めずにそのまま食べることができるので非常食に向いています。

ただ、食品に含まれる塩分にも注意が必要です。
調理済みの食品は、それほど塩気を感じなくても塩分が多いことが多いので、知らず知らずのうちに塩分を取り過ぎてしまう可能性があります。
厚生労働省推奨食塩摂取量は、男性9g未満、女性7.5g未満で、高血圧の方は6g以下ですから、かなり薄味が基本となるのです。

主食とおかずをうまく組み合わせて必要エネルギー量を確保し、できるだけ美味しい食事をとることが大切です。

次回は、実際におすすめの非常食を食べてレポートする予定です。 お楽しみに!!